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zoom RSS 福井、金沢、福祉見学の旅

<<   作成日時 : 2017/04/28 10:10   >>

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2017,4,25,26       於、越前市、金沢市

「ごちゃまぜ」というキーワードで石川県で大活躍しているシェア金沢への見学がフェミギから呼びかけられ、4月26日(日)14人のメンバーで行くことが実現しました。朝が早いので、前泊しようということになり、それならと、25日に福井県越前市にある小舎ユニット制児童養護施設「一陽」の見学が提案され、私は二日にわたって、参加させていただきました。

25日は雲一つない快晴の日で、朝一でここを出て、電車4本乗り継いで武生に到着。7人がタクシーと,車で来られた方の2台に分乗して「一陽」についたのは2時でした。小舎ユニット制というのは、35人定員の児童養護施設が、5つのユニットに別れて、それぞれが、家族のようにして暮らす方法で、今ではそれが主流になりつつあるようですが、その前は大舎制でした。

女性の職員の方が、建物全体を案内してくださった後、橋本達昌統括所長からの説明を聞きました。
建物は3階建のマンションのような外観です。中庭を挟んで、二つの棟があり、事務所棟と居室棟に別れています。居室棟の1F、2Fにそれぞれ二つのユニットがあります。これら二つのユニットにはそれぞれ、玄関がついています。台所が背中合わせになっていて、台所同士が、行き来できるようになっています。幼児から20歳までの人たちが住んでいます。もともと児童養護施設というのは、戦後孤児の住むところとして造られたものですが、今、この一陽の子どもたちは一人も孤児はいないそうです。親がいても様々な理由で、一緒に暮らせない子どもたちで、私たちがそこにいる時間は、みんな学校に行っていて、子どもは一人だけ最近入って来たばかりだという学齢期前の男の子が一人いるだけでした。スタッフとの親密な関係を作る時間とのことでしたが、私たち訪問者を興味深そうに眺めていました。にこにこしてくれて、別れる時は手を振ってくれましたが、大変な事情を抱えているに違いないと思いながら、胸が痛む思いでした。
子どもたち一人一人の個室には、ベットと机があって、生活感がにじみ出ていました。名前が書かれた籠に洗濯物が畳んで入っている部屋があり、共同生活を伺わせていましたが、後はできる限り家庭に近い雰囲気を出していました。

4つのユニットに32人が入っているのですが、あと一つは、高校生たちが、自立を準備するために古家を借りてグルプホームに住んでいたり、この中の小さなスペースに住んでいたりします。

今は、合併して越前市になっていますが、その前は武生(たけふ)市でした。その頃、児童養護
施設は、市営のものがあり、経費削減のために民営化するという話が出てきたときに、市役所の職員、施設の職員、子どもたちを地域全体で、育てていきたいという市民たちが1万円の資金を出し合って設立した社会福祉法人「越前自立支援協会」が2005年にでき、2011年4月に一陽がオープンしたのでした。

ここの志の高さには驚かされます。「市民立」の施設と言っていますが、職員採用の面接は、同僚職員による集団面接で、職員たちが1票を投じて、採用を決めるという民主制です。施設長はだれでも周りが助ければできるということで、年の大きい人が施設長を務め、4年でやめて次の人がなる。橋本さんは、4年前まで施設長だったのが、児童家庭支援センターの統括所長兼専任相談員となり、今年は、3代目の施設長が誕生したとのこと。
橋本さんは、市役所をやめるとき、労働組合の執行委員長だったそうです。19年で市役所をやめたと言います。楽しくてたまらないという感じで、話してくださるので、「これじゃあ、妻も反対しなかったのだろうね」と話しあいました。妻は、郵便局員で、一陽に来てからは、妻の方が高給取りだそうです。

越前市に仁愛大学があって、保育、栄養、心理など、この施設にとって必要な学科が揃っています。大学生たちが、ボランティアで来てくれています。その段階ですでに採用の「品定め」が始まっているそうです。ここの心理の卒業生の職員たちが、子どもたちや、親御さんたちの相談を受けています。3Fには心理の部屋があって、必要なおもちゃ類が揃えてありました。ここに相談に来るのは、ここの入居者だけでなく、地域の皆さんや、里親をしている方々などもあります。子どもたちの通っている学校の先生も相談に来られたりして、職員が学校に出向くこともありです。

ここを卒業していく子どもたちのアフターケアも職員たちの仕事。また卒業生たちに来てもらって、園児との交流を図って、園児にとってはロールモデルができるように仕組んでいきます。高校を卒業して、ここを出るには、アパートを借りるための敷金権利金が必要だし、免許を取らなくてはならないなど、かなりのお金を貯めなくてはならないので、高校生はアルバイトに精を出します。そのための送り迎えも必要ならします。

とにかく、一人ひとりの子どもに寄り添って、その子にとって必要なサポートをしていく。そのためにはかなりの冒険もします。2015,11,17発行の一陽の生い立ちが本になっていて、見学者全員に配られました。とても感動的な書物でした。「社会的養護からの挑戦」子どもの貧困・虐待・排除・孤立・漂流――”負の連鎖”を断ち切るために、できることがある。というものです。

翌26日は朝から雨。私はいつものように5時ごろ目が覚めたので、一人で兼六園に行きました。ちょうど駅からバスが出ていて、往復バスで入口まで運んでもらいました。小高い丘の上にものすごく古くからの木々がサポートされながら立っていて、その大きさに圧倒されます。桜は全部散っていましたが、すでに新緑が始まっていて、雨だけにさらにいきいきとしていました。私にとって初めての兼六園でした。

10時に金沢駅に集合して、大型タクシーと普通のタクシーで、シェア金沢に着いたのは10時半。社会福祉法人「仏子園」の常務理事奥村俊哉さんからパワーポイントを使ってシェア金沢の生い立ちを聞かせていただきました。
日蓮宗のお寺で、元孤児だった住職さんが、戦後の孤児たちを受け入れて生活していたのが始まり。1960年に社会福祉法人「仏子園」が設立される。理事長の雄谷良成さんが、寺で育てられたことから、行善寺、西園寺など寺が深くかかわっている。「ごちゃまぜ」(=social inclusion)というキーワードですべてをつないでいる。
シェア金沢は元国立療養所の跡地で、11000坪。そこに障害児入所施設、サービス付き高齢者住宅、天然温泉、高齢者デイサービス、生活介護、訪問介護、児童発達支援センター、学童保育、障がい者就労支援継続A・B型、学生向け住宅、アトリエ付き学生向け住宅、日用品生活雑貨共同売店、産前産後子育て応援、ボディケア&からだ塾、ブータン・セレクトショップ、全天候型グラウンド、天然温泉、Publish Bar,レストラン、配食サービス、クリーニング&コインランドリー、地域スポーツシステム研究所などなどがあります。
たくさんある施設は皆、高齢者や、障がい者、学生たちが働いている仕事場でもあります。学生たちは、家賃が安い代わりに、月30時間のボランティアが義務付けられています。金沢というところは、18歳で出ていく学生の数よりも入ってくる学生の方が多いという大学町なのです。
ここを作るときの面白いエピソードを聞きました。サービス付き高齢者住宅と、児童の施設を同じ建物でやるということで、1軒の建物を建てることになりました。そのことを金沢市に申請したところ、子ども用と高齢者用と2本の廊下をつける様にとの「指導」が入ったのだそうです。そこで、厚労省に行って「そのような指導をしているのか」と聞いたら、していないという。では、その旨地方自治体に連絡してくれと言ったら、メールのやり取りを転送してくれればいい、ということで廊下1本に落ち着いたそうです。
お役所ということろは、なんだって縦割りですから、「ごちゃまぜ」ということはいちいち大変です。そこをクリアしながらやってこられています。

石川県の中ではあるけど、能登半島の真ん中へんで、廃寺があるから、使ってと言われ、そこはレストランになって栄えているそうです。また、美川という駅の周りにコミュニティーを創ったら、その駅の利用客が、1,5倍に増えたそうです。そう言う駅が4つあるよし。
また「日本海クラブ」という大人の施設を作り、そこで、地ビールを作っている。これがなかなか競合相手がなくてはやっている由。
昼食には、ここのレストランの昼食を1500円で食べる、というのが条件になっていて、何人かが、この地ビールを400円で頼んだので、みんなが一口ずつ飲ませていただきました。これはなかなかおいしいものでした。1500円の昼食は、桐鈴会の工房とんとんで800円で出しているすずカフェランチの方がはるかにおいしいという印象でした。参加者の皆さんに私はそう伝えました。

講義をしてくださった奥村俊哉さんは、ここに来る前は、「北国新聞」の記者だったそうです。理事長の雄谷良成さんも同じ新聞社で働いていたことがあったので、誘われてきたということでした。雄谷良成さんが大学卒業後ドミニカに行ったりしていたこともあって、かなり国際的です。レストランも台湾のものを持ち込んだとかも言っていました。

どこの職場にもいろいろな大人や子どもが散らばっていて、本当に「ごちゃまぜ」でつながっているすばらしい世界でした。




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